本報告書は、学校法人森友学園を相手方とする国有地処分案件に係る決裁文書の改ざん等について、財務省自らの調査によって明らかになった事項をとりまとめたものです。
平成30年6月4日
財務省
本報告書は、学校法人森友学園(以下「森友学園」という。)を相手方とする国有地処分案件(以下「森友学園案件」という。)に係る決裁文書の改ざん等について、財務省自らの調査によって明らかになった事項をとりまとめたものです。
決裁を経た行政文書を改ざんし、それを国会等に提出するようなことは、あってはならないことであり、誠に遺憾です。また、決裁文書の改ざんが行われた時期には、各種応接録についても、国会等との関係で極めて不適切な取扱いがなされていたものと認められます。
財務省として、このような事態が生じたことを真摯に反省し、二度とこうしたことが起こらないよう、全省を挙げて取り組んでいく所存です。
財務省は、平成30年3月以降、まずは森友学園案件に係る決裁文書の改ざんの有無について調査を進め、同年3月12日(月)、本省理財局による改ざんが行われていたことを公表しました。
森友学園案件が国会で取り上げられる
本省理財局による決裁文書の改ざんが行われていたことを公表
職員からの聞き取り、関連文書の確認、サーバやコンピュータ上に残されたファイルの探索等の調査を実施
具体的には、平成29年2月に森友学園案件が国会で取り上げられて以降、同年2月下旬から4月にかけて、以下の5件の決裁文書について、改ざんが行われていたことが確認されました。
また、これらの決裁文書の改ざん内容を反映する形で、9件の決裁文書についても改ざんが行われており、計14件の決裁文書の改ざんが行われていることが確認されました。
国有財産行政は、国債管理や財政投融資等の行政分野とともに、財務省の本省理財局が所掌しており、事務方としての最終責任者は「理財局長」です。
平成29年2月から4月に本省理財局の関係部局に在籍していた主な職員は、佐川宣寿理財局長、中尾睦理財局次長、中村稔総務課長、冨安泰一郎国有財産企画課長、田村嘉啓国有財産審理室長です。
個別の国有財産の管理処分の業務は「財務局長」に委任されており、「管財部」が担当しています。
森友学園案件を取り扱っていた近畿財務局では、「管財部長」の下に「管財部次長」が置かれており、さらに、森友学園などの関係者との調整を含む実務対応は「統括国有財産管理官」が担っています。
平成29年2月から4月に近畿財務局の関係部局に在籍していた主な職員は、美並義人近畿財務局長、槇敬志管財部長、小西眞管財部次長、池田靖統括国有財産管理官です。
森友学園を相手方として処分がなされた大阪府豊中市所在の国有地は、元々、大阪国際空港周辺における航空機騒音対策の一環として、国が建物等の移転について補償を行った上で買い受けた土地です。当初は国土交通省大阪航空局所管の行政財産でしたが、その後、騒音区域の縮小に伴って普通財産化され、国として保有し続ける必要が無くなっていました。
当該国有地は、同省所管の自動車安全特別会計空港整備勘定に所属しており、売払い等の処分を行えばその対価は当該勘定の収入となります。こうした中、平成25年4月、同省大阪航空局から近畿財務局に対して、売払い処分の依頼がなされたものです。
近畿財務局が平成25年6月に公的取得要望の受付を開始したところ、森友学園から、小学校用地として取得したい旨の要望がありました。その際、森友学園側は、当該国有地を直ちに買い受けるのではなく、小学校の経営が安定するまでの期間は借り受けた上で、その後に買い受けることを要望しました。
森友学園案件について、「近畿財務局が売却額等を非公表にしている」「売却額は同じ規模の近隣国有地の10分の1」「森友学園が買った土地には、今春に同学園が運営する小学校が開校する予定」「同校の名誉校長は首相の妻」等とする報道があった。
国会審議において森友学園案件が初めて本格的に取り上げられる
衆議院予算委員会において、内閣総理大臣から、本人や妻が、事務所も含めて、この国有地払下げに一切関わっていないことは明確にしたいとの答弁があった
一連の決裁文書の改ざんが行われる
森友学園案件に係る決裁文書が作成され、その後改ざんが行われた期間にかけて、「財務省行政文書管理規則」においては、一定の行政文書についてのみ1年以上の保存期間を列記していた。森友学園案件に係る決裁文書についても、当該規則に則って、例えば「文書1(貸付決議①)」であれば「運用終了日以後10年」、「文書3(売払決議)」であれば「30年」の保存期間が定められている。
他方、応接録など、当該規則に列記されていない文書については、「財務省行政文書管理規則細則」に基づき、保存期間は「1年未満」とされ、具体的な終期は「年度末まで」や「事案終了まで」等と定めることとされていた。
森友学園案件に関する応接録で「1年未満保存(事案終了まで)」と定められていたものについては、平成29年2月以降、本省理財局において、森友学園との間で売買契約が締結された平成28年6月20日(月)をもって「事案終了」に当たるものと整理し、国有財産審理室長から理財局長まで報告した上で、近畿財務局にも伝達された。
平成29年2月17日(金)の衆議院予算委員会における内閣総理大臣の答弁以降、本省理財局の総務課長から国有財産審理室長及び近畿財務局の管財部長に対し、総理夫人の名前が入った書類の存否について確認がなされた。これに対して、総理夫人本人からの照会は無いことや、総理夫人付から本省理財局に照会があった際の記録は作成し、共有しているが、内容は特段問題となるものではないことを確認したほか、近畿財務局の管財部長からは、その他の政治家関係者からの照会状況に関する記録の取扱いについて相談がなされた。
その後、本省理財局の総務課長は、その後速やかに、国有財産審理室長に対して政治家関係者からの照会状況に絞り込んだリストを作成するよう指示をした上で、当該リストにより理財局長に報告した。その際、理財局長は、応接録の取扱いは文書管理のルールに従って適切に行われるものであるとの考えであったことから、総務課長は、政治家関係者との応接録を廃棄するよう指示されたものと受け止め、その旨を国有財産審理室長、さらに近畿財務局の管財部長に伝達した。
近畿財務局においては、本省理財局からの指示を受けて、政治家関係者との応接録として存在が確認されたものを紙媒体及び電子ファイルともに廃棄した。本省理財局内においても、保存されていた政治家関係者との応接録の廃棄を進めたが、サーバ上の共有フォルダに保存されていた電子ファイルについては、廃棄されず残されたものも存在した。
平成29年2月22日(水)、国会議員より、森友学園案件における森友学園側との応接録の存否についての確認があった。また、翌日23日(木)には、一部政党より、平成25年から26年にかけての財務省本省及び近畿財務局職員と森友学園関係者との接触記録の存否について、無いならば無い旨を書面で提出するよう要求があった。
本省理財局内では、森友学園案件に関する応接録に関して、上記の通り売買契約が締結された平成28年6月20日(月)をもって「事案終了」に当たるものと整理していたことから、そうした記録は無いものと整理し、後者の要求に対して、平成29年2月24日(金)、その旨を記載した書面を提出した。
廃棄されなかった応接録の取扱い
平成28年6月20日(月)に森友学園との間で売買契約を締結した後も、近畿財務局と森友学園側とのやりとりについて応接録を作成する場合があった。例えば、平成29年2月9日(木)に森友学園案件に関する報道があって以降、同年2月13日(月)から14日(火)にかけて近畿財務局と森友学園側の間で報道機関への対応を相談した際にも、詳細な応接録が作成されていた。こうした応接録も「1年未満保存」の文書であり、具体的な終期は「平成28年度末」とされていた。
森友学園案件に係る決裁文書のうち、本省理財局が作成したのは「文書5(特例承認)」の1件のみであり、平成27年4月30日(木)、「一元的な文書管理システム」上で電子決裁が完了している。残る決裁文書は、近畿財務局において作成されたものであり、紙媒体で決裁が行われ、保存されている。
近畿財務局が作成した決裁文書の中には、各種経緯等をかなり詳細に記載しているものがあった。また、本省理財局が作成した「文書5(特例承認)」にも各種経緯が詳細に記載されていたが、これは、国有財産審理室の担当者が、近畿財務局において既に決裁済みだった「文書4(特例申請)」と平仄を合わせる形で記載したことによるものであった。
国会議員団との面会を受けて、対応者の間では、「文書4(特例申請)」「文書5(特例承認)」等における政治家関係者に関する記載の取扱いが問題となり得ることが認識された。
本省理財局の国有財産審理室長及び配下の国有財産審理室の職員が、国有財産企画課長にも報告の上で、政治家関係者からの照会状況等が記載された経緯部分を削除するなどの具体的な作業を行った。
近畿財務局が作成した「文書4(特例申請)」については、近畿財務局において若干の書き換え作業に着手していたが、平成29年2月26日(日)、本省理財局から近畿財務局の管財部職員に出勤を要請した上で、国有財産審理室の職員から、上記「文書5(特例承認)」と同様の書き換えを行うよう具体的に指示をした。近畿財務局においては、管財部次長及び統括国有財産管理官以下の職員が、指示通りの作業を行った。
上記の通り近畿財務局に対して「文書4(特例申請)」の書き換えの指示が行われた平成29年2月26日(日)には、当該指示の内容も踏まえつつ、本省理財局の国有財産審理室長及び配下の国有財産審理室の職員が、国有財産企画課長にも報告の上で、近畿財務局に対して、「文書1(貸付決議①)」や「文書3(売払決議)」等についても、各種経緯が記載された箇所の短縮化などを指示していた。
当時、本省理財局においては、速からず各種決裁文書の公表を求められ、国会審議等における質問の材料となりかねないとの認識が共有されていた。このため、平成29年2月27日(月)、国有財産企画課長及び国有財産審理室から理財局長に対して、まずは「文書3(売払決議)」の内容を報告した。この際、理財局長は、このままでは外には出せないと反応したことから、配下の職員の間では、記載を直すことになるとの認識が改めて共有された。また、理財局長から総務課長及び国有財産企画課長に対して、担当者に任せるのではなくしっかりと見るように、との指示があり、指示を受けた両者は、記載内容を整えた上で理財局長の了解を得ることが必要になると認識した。
平成29年3月2日(木)の参議院予算委員会において、国会議員から、森友学園案件に関する決裁文書を同委員会に提出するよう要求があった(なお、同年3月17日(金)にも、別の国会議員から、同様の要求があった。)。このため、同日以降、本省理財局の国有財産審理室の職員から近畿財務局に対して改めて各種決裁文書の送付を求め、近畿財務局側では、同年3月3日(金)以降、各種決裁文書をスキャンして電子ファイル化する作業を行った上で、同年3月6日(月)から8日(水)頃にかけて、決裁文書の一式を本省理財局側に送付した。
情報公開請求に対して改ざん後の決裁文書を開示したのは、平成29年3月3日(金)に請求を受けて同年5月2日(火)に開示した「文書3(売払決議)」が初めてであり、その後も順次対応された。
国会議員からの資料要求への対応については、平成29年3月2日(木)及び17日(金)の参議院予算委員会における国会議員からの資料提出要求を受けて、同年5月8日(月)に同委員会理事会に対して、改ざん後の「文書3(売払決議)」を提出した。
応接録の廃棄や決裁文書の改ざんは、国会審議において森友学園案件が大きく取り上げられる中で、更なる質問につながり得る材料を極力少なくすることが、主たる目的であったと認められる。その背景として、国会対応を担当する本省理財局において、森友学園案件を担当する近畿財務局の各種文書の状況を十分把握しきれておらず、それらを精査する時間的余裕がなかったことも影響していたものと考えられる。
政治家関係者からの照会状況や森友学園との交渉状況に関する応接録は「1年未満保存」の文書であり、当時の「財務省行政文書管理規則」に則り、保存期間が終了した応接録は廃棄することとされていたが、実際には廃棄されず残されているものがあった。国会議員からの確認等を受けて、本来は、応接録の存否を確認した上で、残っている応接録があるならば求めに応じて提出し、その場合に生じ得た1つ1つの質問に対して丁寧に答弁していくべきであったし、そうすることは不可能ではなかったと考えられる。しかしながら、本省理財局の幹部職員は、国会審議が相当程度紛糾することを懸念して、保存期間終了後の応接録は廃棄している旨を説明するにとどめることを志向したものと認められる。しかしながら、そうした幹部職員の考えを踏まえて廃棄が徹底されたわけではなく、特にサーバ上には応接録が多く残されていたことが実態だったと認められる。
決裁文書については、本省理財局の局長以下の幹部職員としては、それぞれの決裁文書の作成目的に照らして必要な記載は残すことを前提としつつ、
といった考え方により、改ざんを行う判断をしたものと認められる。本来は、元々の決裁文書を提出した上で、その場合に生じ得た1つ1つの質問に対して丁寧に答弁していくべきであったし、そうすることは不可能ではなかったと考えられるが、当時の本省理財局の幹部職員は、国会審議が相当程度紛糾するのではないかと懸念し、それを回避する目的で改ざんを進めたものと認められる。
国権の最高機関である国会への対応として、上記のような決裁文書の改ざん作業を行い、改ざん後の文書を提出したことは、あってはならないことであり、不適切な対応だったと言わざるを得ない。さらに、行政府における文書管理のあり方としても、一旦決裁を経た行政文書について、事後的に誤記の修正等の範囲を超える改ざんを行ったことは、「公文書等の管理に関する法律」の趣旨に照らしても不適切な対応だったと考えられる。
上記のような応接録の取扱いについても、国権の最高機関である国会への対応として、不適切な対応だったと言わざるを得ない。保存期間が終了した応接録を適切に廃棄していくこと自体は法令に基づく取扱いであり、通常であれば、幹部職員からその趣旨を徹底するよう求めることには問題はないが、国会審議等において各種応接録の存否が問題になった後に廃棄を進め、存在しない旨を回答したことは、不適切である。
会計検査院による会計検査に対して、廃棄されずに残された応接録の存在を明かさなかったり、改ざん後の決裁文書を提出したことは、不適切な対応である。この会計検査が、参議院予算委員会の要請に基づき行われているものであることを踏まえれば、国権の最高機関である国会との関係でも、問題のある対応だったと言わざるを得ない。
情報公開請求に対して、廃棄されずに残された応接録についても「文書不存在」と回答したり、改ざん後の決裁文書を開示したことは、不適切である。
停職・3月相当
国会や会計検査院等への対応に際して、応接録の廃棄や決裁文書の改ざんの方向性を決定付けたものと認められる。一連の問題行為の全般までを承知していたわけではないが、国有財産行政の責任者である本省理財局の局長であり、さらに、一連の問題行為が森友学園案件に関する自身の国会答弁との関係に起因していたことも踏まえれば、問題行為の全般について責任を免れるものではない。
戒告
一連の問題行為を承知しており、国有財産行政を担当する本省理財局の次長として、監督責任を免れない。
停職・1月
一連の問題行為について、理財局長に最も近い立場にあって、本省理財局内及び近畿財務局に方針を伝達するなど、中核的役割を担っていたと認められる。一部の問題行為については関知していなかったが、これも他の問題行為との整合性を確保するために行われていたものであることを考えれば、問題の全般について責任を免れるものではない。
減給20%・3月
一連の問題行為について、理財局長の下で、総務課長とともに、本省理財局内で国有財産審理室長らが行った作業を事実上監督するなど、深い関与が認められる。
減給20%・2月
一連の問題行為について、理財局長及び総務課長の下で、国有財産企画課長とも相談しつつ、国有財産審理室の配下職員とともに作業を進めたほか、近畿財務局にも各種の指示を行うなど、深い関与が認められる。また、森友学園案件の事案終了前から在職しており、的確な情報提供を行い得る立場であったにもかかわらず、有効な対応を行えなかった。
戒告
一連の問題行為は本省理財局の指示により行われたものであるが、近畿財務局の管財部職員から状況報告を受ける立場にあり、監督責任が認められる。
戒告
一連の問題行為は本省理財局の指示により行われたものであるが、本省理財局の総務課長及び国有財産審理室長との間の調整役を担っていたほか、管財部の配下職員からの状況報告もあって全体像を把握しており、監督責任が認められる。
戒告
一連の問題行為は本省理財局の指示により行われたものであるが、本省理財局の国有財産審理室長との間の調整役を担っていたほか、管財部の配下職員からの状況報告もあって全体像を把握し、さらに作業にも従事するなど、相当程度の関与が認められる。
森友学園案件に関する決裁文書の改ざんが明らかになったことを踏まえ、他部局において同様の事例がないかを確認するため、本省及び近畿財務局を含む各財務局において、決裁文書に関する調査を実施した。
具体的には、平成29年度中に決裁が完了した文書のうち、「一元的な文書管理システム」上で電子決裁を行ったものについては、事後的に更新を行った場合にはシステム上修正履歴が残ることから、まずは修正履歴の有無を全件確認した。当該システムでは、一旦電子決裁を完了した後であっても、誤記の修正や正本への差し替え等が行われ得ることを想定して、事後的な更新が可能とされているが、そうした範囲を超える改ざんが行われていれば問題であることから、そうした事例があるかどうかを確認した。
さらに、紙媒体で決裁を行った文書も含め、平成29年度中に決裁が完了した文書について、事後的に、誤記の修正や正本への差し替え等の範囲を超える改ざんを行ったことがあるか否かについて、聞き取り調査を行った。
本省においては、平成29年度中に電子決裁が完了していた20,878件のうち、124件(0.6%)について、決裁完了後の更新履歴が確認されたが、このうち120件については、誤記の修正や正本への差し替え等を行ったものであった。
残る4件のうち、2件は機微な人事関係の案件、2件は大臣官房秘書課における事案であり、いずれも決裁の内容を決裁権者に報告することなく、別の決裁済み案件に事後的に追加・差し替えを行う形で処理していたものであり、不適切な取扱いである。
財務局においては、平成29年度中に電子決裁が完了していた169,708件のうち、436件(0.3%)について、決裁完了後更新履歴が確認されたが、このうち434件については、誤記の修正や正本への差し替え等を行ったものであった。
残り2件は、単身赴任届や住居届を財務事務所から財務局本局に届け出る決裁について、実際に申請書類が提出された日付では単身赴任手当や住居手当の支給が翌月になってしまうことから、当月から手当を支払えるようにするため、申請書類の提出日を書き換えさせた事案であった。手当の支給に関する不適切な取扱いであり、口頭厳重注意の矯正措置が実施された。
国有財産の管理処分に係る説明責任の向上を図るためには、まず、取引に係る基準の明確化や価格の客観性を確保することが重要である。森友学園案件をめぐる国会審議における指摘や会計検査院の検査報告を踏まえた今後の国有財産の管理処分のあり方について、平成29年12月11日(月)、麻生財務大臣から財政制度等審議会に対して諮問が行われ、平成30年1月19日(金)、同審議会国有財産分科会において、「公共随契を中心とする国有財産の管理処分手続き等の見直しについて」がとりまとめられた。
具体的には、国有財産の管理処分手続きについて、
等の見直しを行うべきこととされており、これらの内容のほとんどは、既に平成30年3月末までに、通達改正により、実務に反映させている。残る内容についても、速やかに実務に反映すべく、具体的検討を進める。
公文書管理については、平成29年末に内閣府「公文書の管理に関するガイドライン」の見直しが行われ、財務省においても、平成30年4月、「財務省行政文書管理規則」及び「財務省行政文書管理規則細則」の見直しを行った。同年3月23日(金)の閣僚懇談会における内閣総理大臣の指示を踏まえ、今後、研修等を通じて、職員に対して新ガイドライン等の周知徹底及び確実な実施を図る。
また、これまでの研修は、課長補佐級及び係長級職員向けの実務的な内容が中心であったが、今後は幹部職員も含めて、紙媒体と電子媒体とを問わず、情報及び行政文書の適切な取扱いに関して行うべきことを明確にすべく、総合的な研修を行う。
決裁プロセスについては、上記管理指示等を踏まえ、「一元的な文書管理システム」等における電子決裁への移行を加速する。今回の森友学園案件を踏まえ、本省及び財務局において電子化されていない決裁については、電子決裁を原則とすべく、業務フローの見直しを進める。
電子決裁が完了した後の文書を更新する場合に、更新履歴は確認できる一方で、修正の経緯や決裁権者が了解していたかどうか等について事後的な検証が困難な場合がある。このため、決裁完了後の文書について事後的な検証が可能となるよう、修正等が必要な場合には決裁を取り直すことを原則とするなど、決裁ルールの見直しを検討する。
上記の取組を直ちに進めるとともに、財務省のコンプライアンス、内部統制に関して、民間企業も含めた内外のベスト・プラクティスを踏まえ、外部の専門家の意見を参考にしつつ、総合的な態勢整備を進める。あわせて、時代にふさわしい財務省の仕事のやり方や価値観の持ち方についての総ざらいを行い、必要な取組を進めることとする。