16世紀~18世紀の西ヨーロッパで支配的だった経済思想と政策の総称。国家の富を金銀の蓄積で測り、貿易黒字を重視した。
大航海時代の始まり、新大陸からの金銀流入
スペイン・ポルトガルの初期重商主義
重金主義(金銀の直接的蓄積重視)
イギリス・フランスでの重商主義政策発展
特許貿易会社設立(東インド会社など)
イギリス航海法制定
自国と植民地間の貿易を自国船に限定
フランスのコルベールによる重商主義政策
国営マニュファクチュア設立
フランスで重農主義台頭
ケネーの『経済表』(1758年)
アダム・スミス『国富論』刊行
重商主義への全面的批判
産業革命の進展
自由貿易思想の台頭と重商主義の衰退
国 | 時期 | 主要政策 | 特徴 |
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スペイン | 16世紀 | 金銀の直接収奪、貴金属輸出禁止 | 初期の重金主義、新大陸からの金銀流入 |
イギリス | 17-18世紀 | 航海法(1651年)、東インド会社、保護関税 | 海運・貿易重視、植民地網の構築 |
フランス | 17-18世紀 | コルベールの産業政策、特権マニュファクチュア | 国内産業の国家管理、高級品製造 |
オランダ | 17世紀 | 東インド会社、商業・海運の独占 | 中継貿易重視、比較的自由主義的 |
軍事力強化のための財源確保
国際社会での地位向上
絶対王政の財政基盤構築
常備軍・官僚機構の維持
他国との経済的競争
植民地・貿易市場の獲得
商人に特権を提供
商人は国家に財政支援
保護貿易政策、貿易黒字重視、産業保護など、現代の経済ナショナリズムや「新重商主義」と呼ばれる政策にその影響が見られる。