前回の基本問題では「わさに注目」、つまり「同じところはどこかに注目」することの重要性を学びました。文章題を解く際、問題の構造を理解し、共通要素や法則性を見つけることが重要です。
今回は、その考え方をさらに発展させ、より複雑な応用問題に取り組む方法を紹介します。基本的な考え方は同じですが、問題の難易度が上がると、新たな思考法が必要になります。
文章題の基本アプローチ:
具体的な数値がわからない場合でも、奇数・偶数の性質に着目することで問題を解決できることがあります。数値は無限にありますが、奇数・偶数という観点では2種類に分類できます。
奇数・偶数の基本性質:
4つの数 A, B, C, D があり、それぞれを2つずつ組み合わせた和が 25, 30, 33, 34, 37, 42 だった場合:
金銭の支払いに関する問題では、誰が何を支払い、誰から誰にお金が移動したかを図式化することで解決の糸口が見えてきます。
ポイント: 支払いの前後で全体の合計額は変わらないことを活用しましょう。
例題: 火星旅行の交通費問題
ヨシ君、ソブエ君、バルボ君の3人が火星旅行に行き、それぞれが異なる交通手段の費用を3人分支払いました。後日精算の際、ソブエ君はヨシ君に450億円、バルボ君に60億円支払いました。このとき、スペースシャトルの費用(ヨシ君が支払った)はジェット機の費用(ソブエ君が支払った)の3倍でした。
解法のポイント: 支払い前後での公平な分担を考え、差額から各交通手段の費用を算出します。
物を人に配る問題や、人を物に配置する問題では、分配の関係性を明確にすることが重要です。特に分配の対象が異なる場合の考え方を紹介します。
引き出しに入っている「のみ」と「ダニ」をおじさんたちに配る問題:
この問題の難しさは、配るものの数がバラバラという点です。
解決アプローチ:
結論: おじさんは4人で、のみは合計60匹いたことがわかる
長椅子に人を座らせる問題では、「物に人を配置する」という視点が必要です。この場合、主人公は椅子(物)であり、それに人をどう配置するかを考えます。
問題例:
この問題では、椅子の数と人数の関係を方程式で表現し、解く必要があります。
複数の異なる要素(価格や数量など)を含む問題では、それらを組み合わせて新しい単位を作る「ミキサー法」が有効です。これにより、問題を単純化できることがあります。
例題: 100円、80円、60円の傘を合計30本買って2340円支払った。100円の傘と80円の傘は同じ本数買った。
ミキサー法の適用:
結論: 100円の傘と80円の傘はそれぞれ9本ずつで、60円の傘は12本
応用文章題を解くためには、基本的な「わさに注目」の考え方をベースにしながら、問題の特性に合わせて様々なテクニックを適用することが重要です。
重要なポイント:
文章題は「まるまるさん」という名前の解法として暗記するのではなく、なぜそうなるのかを考える力を養うことが大切です。問題の本質を理解し、適切なアプローチを選択できるようになりましょう。