国語授業:詩の世界を味わう

2025年3月24日

📚詩の分類

詩は形式・言葉・内容の3つの面から分類できます

形式面による分類

  • 定型詩:一定の音数・リズムがある詩
  • 自由詩:形式やリズムがなく自由に書かれた詩
  • 散文詩:普通の文章のような形の詩

言葉の面による分類

  • 口語詩:現在使われている言葉で書かれた詩
  • 文語詩:昔使われていた言葉で書かれた詩

内容面による分類

  • 叙情詩:作者の気持ちを描いた詩
  • 叙景詩:風景や景色を描いた詩
  • 叙事詩:歴史上の出来事を描いた詩

🎈紙風船

この詩は自由詩・口語詩・叙情詩に分類されます

紙風船はふわふわと美しく、願い事を託して打ち上げるイメージがあります。

比べるものと比べられるものの逆転

詩の中では:紙風船を美しい願い事のように例えている

実際は:美しい願い事を紙風船のように打ち上げようとしている

紙風船に託すことの効果

  • 願い事を重苦しく感じさせない
  • 願い事が叶わなくても諦めない気持ちになれる
  • 軽やかに挑戦し続けようという励みになる

🌇夕焼け

電車の中での若い娘と老人とのやりとりを描いた詩

控えめな性格

老人

立っている

満員電車の中

3回の出来事

  1. 1回目:娘は老人に席を譲る → 老人はお礼を言わずに降りる
  2. 2回目:別の老人が立つ → 娘は席を譲る → 老人はお礼を言う
  3. 3回目:また老人が立つ → 娘は席を譲らない → 葛藤する

娘の気持ち:後ろめたさと恥ずかしさの板挟み

  • 老人に席を譲るのは普通のこと
  • お礼を言われると周りの注目を浴びて恥ずかしい
  • でも譲らないと後ろめたい気持ちが続く

防線4の意味

「優しい心の持ち主は受難者となる」

  • 相手の気持ちがよく分かる人(優しい人)は苦しい思いをする
  • 辛そうな相手を見ると自分の辛さのように感じてしまう
  • 本来感じなくていい辛さまで感じてしまう

🌳

木の存在と人間とを対比して描いた詩

擬人法を使った表現

  • 木はささやいている:小さな風に揺れて音を立てている様子
  • 木は空に向かって歩いている:ゆっくりと成長している様子
  • 木は地の下へ稲妻のごとく走っている:根が地中に広がっている様子

「愛」と「正義」の意味

:小鳥を受け入れてあげる、他の生き物の安らぎの場になっている

正義:地下水を吸い上げて酸素を空に返す、自分だけでなく他の存在のためになることをする

「好きだ」から「大好きだ」への変化

1連目「好きだ」:人間と違う存在として表面的に好きだと思っていた

  • 口うるさくなく黙っている
  • 忙しそうでなく歩いたり走ったりしない
  • 愛や正義を振りかざさないから好き

6連目「大好きだ」:木の本質を理解した上での深い愛着

  • 声高に主張しなくても愛と正義を実践している
  • 存在するだけで他者のためになっている
  • 「君」と呼びかける親愛の情と尊敬の念

✏️授業のまとめ

詩を読む際に大切なこと

イメージを膨らませる

  • 短い言葉から情景を思い浮かべる
  • 登場人物の気持ちになって考える
  • 作者がどんな思いで書いたか想像する

家庭学習

  1. 授業で取り上げた詩を読み直し、イメージを膨らませる
  2. 演習問題に取り組む
  3. 重要な問題について自分で考えてみる