文の基本構造:分解してみよう

文とは「1つのまとまった内容を表している一続きの言葉」です。最後に「。」をつけて一まとまりの内容を表します。

📌 文章の3つの単位

文節
単語

1 :1つのまとまった内容を表す一続きの言葉(「。」で終わる)

2 文節:意味が分かり、発音がおかしくならない程度に短く区切ったまとまり

3 単語:文や文節を組み立てている言葉の文法上の最小単位

例文:「バラの花が綺麗に咲いた。」

↓ 文節に分ける ↓

「バラの/花が/綺麗に/咲いた」

↓ 単語に分ける ↓

「バラ/の/花/が/綺麗/に/咲い/た」

「咲いた」のように活用語の語尾が変わったものも、独立した言葉としての役割を果たすため、単語として扱います。

✏️ 練習問題:文節と単語を数える

1. 新しいテレビが家に届いた。(4文節、7単語

2. 私はいつも電車に乗って塾へ行く。(6文節、10単語

3. ある日森の中で熊に出会った。(6文節、10単語

主語と述語の関係

文は「何が・誰が」を表す部分(主語)「どうする・どんなだ・何だ」にあたる部分(述語)を中心として組み立てられています。

主語 何が・誰が 述語 どうする・どんなだ 文の基本構造

文の中心となる述語は、ほとんどの場合その文の最後にあります。

→ まず述語を確かめ、その述語に対応する主語を見つけましょう

例1:「バラの花が綺麗に咲いた。」

述語:咲いた(どうした?)

主語:花が(何が咲いた?)

⚠️ 補助動詞について

「~している」「~してある」「~してみる」などの「いる」「ある」「みる」は、他の言葉にくっついているだけの補助動詞です。

このような言葉は文節として区切りますが、述語として答える際には前の言葉と一まとまりの表現として扱います。

例2:「朝から犬がずっと吠えている。」

文節:「朝から/犬が/ずっと/吠えて/いる」

述語:吠えている(「吠えて」+「いる」)

主語:犬が

✏️ 練習:主語と述語を見つける

1. 昔はこの町ももっと賑やかだった。

→ 主語:町も、述語:賑やかだった

2. クラスのみんながそこを転んだ僕を笑った。

→ 主語:みんなが、述語:笑った

3. クラスのみんなに転んだ僕は笑われた。

→ 主語:僕は、述語:笑われた

特殊な文の形と修飾語

🔄 普通と異なる形の文

1. 倒置法(主語と述語の位置が逆)

例:「行ってしまった。バスは僕を一人残して」

普通の形:「バスは僕を一人残して行ってしまった」

主語:バスは

述語:行ってしまった

言葉の位置ではなく役割で判断することが大切です。

2. 省略がある文

「グラウンドには僕と高橋の2人だけしかいなかった。予定の時間から15分遅れて佐藤がやってきた。後に続くようにして田中も。」

→ 「田中もやってきた」の述語が省略されている

✏️ 練習:特殊な文の主語と述語

1. 本当に美しい。この島から見える海は。

→ 主語:海は、述語:美しい

2. 昨日リサちゃんと一緒に公園へ行った。

→ 主語:なし(省略)、述語:行った

3. 来年こそ私たちが優勝杯を。

→ 主語:私たちが、述語:なし(省略)

🎯 修飾語と被修飾語

文は主語と述語が揃えば最低限の内容を伝えることができますが、より詳しく説明するための言葉を修飾語と言います。

例:「バラの花が綺麗に咲いた」

主語:花が
修飾語:バラの
述語:咲いた
修飾語:綺麗に

複数の主語・述語を持つ文

1. 文の中心となる主語・述語と、組み込まれた主語・述語

例:「僕はお母さんが買ってきたジュースを飲んだ」

中心の主語・述語:「僕は」「飲んだ」

組み込まれた主語・述語:「お母さんが」「買ってきた」

2. 対等な関係で並ぶ主語・述語

例:「おじいさんは山へ芝刈りに行き、おばあさんは川に洗濯に行きました」

主語・述語ペア①:「おじいさんは」「行き」

主語・述語ペア②:「おばあさんは」「行きました」

📝 分かりやすい文を書くために

主語と述語や修飾語の位置によっては、文章が様々な意味に取られてしまうことがあります。

例:「おじいさんは楽しそうに転がる孫娘を眺めていた」

誤解1:楽しそうなのが孫娘なのか、おじいさんなのか不明

修正例:「おじいさんは、楽しそうに転がる孫娘を眺めていた」(孫娘が楽しそう)

修正例:「おじいさんは楽しそうに、転がる孫娘を眺めていた」(おじいさんが楽しそう)