🌎 日本の環境問題と取り組み 🌱

2025年3月29日

出典: 環境問題講義録

日本の環境問題と公害の歴史

環境問題は工業の発達とともに深刻化してきました。明治時代以降、工業化の進展に伴い、様々な公害が発生してきた歴史があります。

日本最初の公害

足尾銅山事件 📜

栃木県の渡良瀬川流域で、鉱山からの排水により農業に甚大な被害をもたらした。

田中正造が問題を訴え続けた歴史的事件

高度経済成長期の公害問題

経済発展が優先され、環境対策が後手に回った時代

四大公害病 🏭

名称 地域 原因
水俣病 熊本県水俣市 工場排水中の水銀
新潟水俣病 新潟県 工場排水中の水銀
イタイイタイ病 富山県 鉱山からのカドミウム
四日市ぜんそく 三重県四日市 工場からの大気汚染
環境問題への対応
  • 公害対策基本法 (1967年)

    工業優先でも環境を守る必要性を示した

  • 環境基本法 (1993年)

    生活面からも環境保全を推進

  • 環境庁の設立 (高度経済成長期)

    現在は環境省に昇格

  • 現代の環境問題

    1典型7公害

    大気汚染 💨

    工場排気、自動車排気ガス

    水質汚濁 💧

    工場排水、生活排水

    土壌汚染 🌱

    有害物質による土壌汚染

    地盤沈下 🏠

    地下水の汲み上げ過ぎ

    騒音 🔊

    自動車、鉄道、飛行機

    振動 📳

    交通機関、工場設備

    悪臭 👃

    工場排気物、畜産臭

    💡 公害の苦情件数は騒音が圧倒的に多い

    ゴミ問題

    処分場不足 🗑️

    大量生産・大量消費により廃棄物が増加し、処分場が足りなくなる問題

    産業廃棄物の不法投棄 ⚠️

    工場や建築現場から出る廃棄物を許可なく不法に捨てる問題

    ゴミ削減のための3R ♻️

  • リデュース (Reduce)

    ゴミを減らす

  • リユース (Reuse)

    再使用する

  • リサイクル (Recycle)

    再利用する

  • リサイクル関連法

  • 容器包装リサイクル法

    レジ袋有料化もこの一環

  • 家電リサイクル法

    冷蔵庫・洗濯機などの大型家電

  • 小型家電リサイクル法

    パソコン・携帯電話など

  • 環境アセスメント 🔍

    大規模な開発の際に、環境への影響を事前に調査・予測・評価する取り組み

    開発後に問題が発生してからでは遅いため、事前評価で対策

    発電と環境問題 ⚡

    日本の発電エネルギー源の変化

    1950年から現在までの推移:

    1950年代

    水力発電が約8割を占める

    高度経済成長期

    火力発電の割合が増加

    1970〜80年代(オイルショック後)

    原子力発電の割合が大幅増加

    石油の安定供給への不安から

    2011年以降

    東日本大震災・原発事故の影響で原子力発電が減少

    近年

    再生可能エネルギーの割合が増加傾向

    世界の国々の発電状況
  • 火力発電の割合が高い国

    中国、アメリカ、インド、ドイツなど

    工業発達国
  • 水力発電の割合が高い国

    カナダ、ブラジルなど

    降水量が多い 大きな河川あり
  • 原子力発電の割合が高い国

    フランスなど

    電力需要の大部分を賄う
  • 発電方法の特徴と環境への影響

    水力発電

    長所 👍

    発電時にCO2を排出しない

    短所 👎

  • 自然破壊

    ダム建設時の森林伐採

  • 都市から遠距離

    電力ロスの問題

  • 降水量依存

    貯水量により発電量が左右される

  • 火力発電

    長所 👍

    安定的に電力供給可能

    短所 👎

  • CO2排出

    地球温暖化の原因に

  • 最近は炭素排出の少ない天然ガス発電が注目

    原子力発電

    長所 👍

  • 安定的な電力供給
  • 発電時にCO2を排出しない
  • 少量のウランで大量のエネルギー生成
  • 短所 👎

  • 事故発生時のリスク

    大規模・長期的な被害の可能性

  • 核廃棄物の処分問題

    保管場所の確保が課題

  • 再生可能エネルギー

    長所 👍

  • クリーン

    発電時にCO2を排出しない

  • 枯渇しない

    太陽光・風力は無限資源

  • 短所 👎

  • 天候依存

    太陽光は夜間発電不可、風力は風任せ

  • コスト効率

    設備投資に対して発電量が少ない

  • 技術の発展により効率化が進められている