H54007:世界の地理 きほんのき

地球上の大切な地形・気候・地図の見かたの基本

作成日: 2025年4月8日

バージョン: 1.1

作成者: Terminal7 Inc/p>

世界の地理を学ぼう!

世界の地理を知ることは、ほかの国や地域を理解するための第一歩です。この資料では、大陸山脈といった地球のすがたから、地図の描き方緯度・経度時差気候まで、世界を知るための地理の基本をやさしく解説します。

世界の大陸と海

五大陸

地球の大きな陸地は、ふつう5つの大陸に分けられます。面積(大きさ)の広い順にならべると、次のようになります。

順位 大陸名 面積(万km²)
1 ユーラシア大陸 約 5,400
2 アフリカ大陸 約 3,000
3 北アメリカ大陸 約 2,400
4 南アメリカ大陸 約 1,800
5 オーストラリア大陸 約 770

※ 南極大陸をふくめて「六大陸」と呼ぶこともあります。

三大洋

世界の広い海は、3つの大洋に分けられます。

大洋名 特徴
太平洋(たいへいよう) いちばん大きな海。まわりには地震が多い。
大西洋(たいせいよう) ヨーロッパとアメリカ大陸の間の海。
インド洋(よう) アフリカ、アジア、オーストラリアに囲まれた海。

環太平洋造山帯(かんたいへいようぞうざんたい)って?

太平洋をぐるっと取り囲むように、火山活動や地震がとても活発な場所が続いています。これを環太平洋造山帯と呼びます。日本もこの一部です。世界で起こる地震の多くが、この地域で発生しています。

環太平洋造山帯(パシフィックリム)の位置を示す簡略世界地図 環太平洋造山帯(パシフィックリム) 太平洋を取り囲む地震が多い地域 北アメリカ 南アメリカ ユーラシア オーストラリア 日本 太平洋

図1: 環太平洋造山帯(パシフィックリム)のおおよその位置

世界の主な地形

主な山脈

世界には高くけわしい山々がつらなる場所があります。

  • アルプス山脈: ヨーロッパにある有名な山脈。
  • ロッキー山脈: 北アメリカ大陸の西側にある長い山脈。
  • アンデス山脈: 南アメリカ大陸の西側にある、世界で一番長い山脈。
  • ヒマラヤ山脈: アジアにあり、世界最高峰のエベレスト山がある山脈。

大きな山脈はどうしてできるの?
地球の表面はプレートという大きな岩盤に分かれていて、それが動いています。プレート同士がぶつかったり、一方がもう一方の下にもぐりこんだりする力(造山活動)で、地面がもり上がって高い山脈ができます。環太平洋造山帯もプレートがぶつかり合っている場所です。

主な川

世界には長くて大きな川がたくさんあります。

河川名 特徴 主な流域国
ナイル川 世界でいちばん長い川(約6,650km)。 エジプト、スーダンなど
アマゾン川 流れる水の量が世界最大。流域面積も最大。 ブラジル、ペルーなど
ミシシッピ川 北アメリカでいちばん長い川。 アメリカ合衆国
長江(ちょうこう) アジアでいちばん長い川。ヤンツー川とも呼ばれる。 中国

※ 流域面積(りゅういきめんせき)とは、その川に雨水などが流れこんでくる範囲の広さのことです。

地図の描き方(地図投影法)

丸い地球を、平らな紙の地図にするには、特別な描き方(地図投影法:ちずとうえいほう)を使います。描き方によって、見え方や得意なことがちがいます。

メルカトル図法

メルカトル図法の特徴を示す図 赤道 本初子午線 角度は正しいが、面積はゆがむ
  • 緯線(横の線)と経線(縦の線)が直角に交わるように描かれる。
  • 地図上の角度が実際の角度と同じになるので、船の航海で進む方向を知るのに便利
  • 赤道からはなれるほど(北極や南極に近づくほど)、面積が実際より大きく描かれてしまう。
  • 昔から航海図などによく使われている。

正距方位図法(せいきょほういずほう)

正距方位図法の特徴を示す図 中心点 地点A 地点B 中心からの距離と方角が正しい
  • 地図の中心から他の場所までの直線距離が正しく表される。
  • 地図の中心から見た方角も正しい
  • 中心から離れるほど、面積や形は大きくゆがむ。
  • 飛行機の最短コース(大圏航路)を調べるときなどに便利。
  • 例:中心点(例えば東京)からの地図上の直線が、その場所への最短距離と正しい方位を示します。

緯度・経度と時差

緯度と経度ってなに?

緯度と経度の説明図 赤道 (緯度0°) 北緯 南緯 北極 (北緯90°) 南極 (南緯90°) 本初子午線 (経度0°) 西経 東経 日本(例) イギリス(例)
  • 緯度(いど):地球上の北や南の位置を表す。赤道を0度として、北極が北緯90度、南極が南緯90度。
  • 経度(けいど):地球上の東や西の位置を表す。イギリスのロンドンを通る線(本初子午線:ほんしょしごせん)を0度として、東へ東経180度、西へ西経180度まで。
  • 地球上の場所は「北緯○○度、東経××度」のように、緯度と経度の組み合わせで正確に示すことができる。

時差(じさ)はどうやって計算するの?

世界各地の時刻の違い(時差)は、経度の差で決まります。

経度が15度ちがうと、時刻が1時間ずれる

(地球は24時間で1周(360度)回転するので、360度 ÷ 24時間 = 15度/時間 となります)

時差を計算する手順

  1. 2つの場所の経度の差を計算する。
  2. 経度の差を15で割ると、何時間の時差があるかがわかる。
  3. 東にある場所ほど、時刻が進んでいる。

計算の例:日本(東経135度)とロンドン(経度0度)の時差

  1. 経度の差: 135度 - 0度 = 135度
  2. 時差の計算: 135度 ÷ 15度 = 9時間
  3. 日本はロンドンより東にあるので、日本の時刻が9時間進んでいる。
  4. もし、日本が2月1日午前6時のとき、ロンドンは9時間前の1月31日午後9時になる。

日付変更線(ひづけへんこうせん)

だいたい東経180度(西経180度)の線が、日付が変わる線になっています。この線を東から西へこえると日付を1日進め、西から東へこえると1日もどします。国の中で日付がずれないように、線はまっすぐではなく、国の境目などに合わせて曲がっています。

世界の気候

地球上の気候は、場所によってさまざまです。特に、太陽の光の当たり方に関係する緯度によって、大きく熱帯(あつい地域)温帯(すごしやすい地域)寒帯(さむい地域)に分けられます。

世界の緯度と気候帯、季節の関係を示す図 寒帯 温帯 熱帯 (赤道) 温帯 寒帯 北半球 南半球 8月ごろ 2月ごろ 8月ごろ 2月ごろ 北半球の気温(夏に高く、冬に低い:山型) 南半球の気温(夏に高く、冬に低い:谷型)

図: 緯度による気候帯と北半球・南半球の季節の違い(イメージ図)

北半球と南半球で季節が反対なのはなぜ?

  • 地球は太陽のまわりを回りながら(公転)、少し傾いたまま自分で回っています(自転)。
  • この傾きのため、太陽の光が強く当たる場所が、季節によって北半球側と南半球側で入れかわります。
  • だから、北半球と南半球では季節が反対になります。
  • 北半球が夏のとき(7月・8月ごろ)、南半球は冬です。
  • 北半球が冬のとき(12月・1月ごろ)、南半球は夏です。
  • 赤道の近くは、一年を通して太陽の光が強く当たるので、ずっと暑いです(熱帯)。

気温の変化のしかた

  • 北半球の多くの場所では、1年の気温の変化を見ると、夏がいちばん高く、冬がいちばん低い「山型」のグラフになります。
  • 南半球の多くの場所では、北半球と季節が逆なので、1月ごろがいちばん暑く、7月ごろがいちばん寒い「谷型」のグラフになります。
  • 赤道から離れるほど、夏と冬の気温の差が大きくなる傾向があります。
  • 例えば、オーストラリア(南半球)は、日本(北半球)とは季節が逆になります。