1. 速さの単位変換
速さの単位と変換方法

基本単位の関係

単位 意味 関係性
秒速 (m/s) 1秒間に進む距離 基本単位
分速 (m/min) 1分間に進む距離 秒速 × 60
時速 (km/h) 1時間に進む距離 分速 × 60 ÷ 1000

変換の公式

秒速(m/s) × 3.6 = 時速(km/h)
時速(km/h) ÷ 3.6 = 秒速(m/s)
秒速(m/s) × 60 = 分速(m/min)
覚え方のポイント: 秒速から時速への変換は3.6を掛けるだけです。この3.6という数字は、60(秒→分) × 60(分→時間) ÷ 1000(m→km) から導かれます。
変換例題

例題1: 秒速 → 時速

秒速1mは時速何kmか?

秒速 1m ×60 分速 60m ×60 時速 3600m ÷1000 時速 3.6km ×3.6
1 × 3.6 = 3.6 km/h

例題2: 時速 → 秒速

時速108kmは秒速何mか?

時速 108km ÷3.6 秒速 30m
108 ÷ 3.6 = 30 m/s
まとめ: 速さの単位変換では、基本的な関係を理解し、適切な係数(3.6など)を使うことで簡単に計算できます。
2. 速さと時間の関係
基本公式: 距離 = 速さ × 時間

時間の計算

時間 = 距離 ÷ 速さ

例題: 距離と速さから時間を求める

時速90kmの車が150kmの距離を走るのにかかる時間は?

時間 = 150km ÷ 90km/h = 1時間40分
150km 90km/h 150 ÷ 90 = 1.67時間 = 1時間40分

距離の計算

距離 = 速さ × 時間

例題: 速さと時間から距離を求める

分速80mで50分間歩いた時の距離は?

距離 = 80m/min × 50min = 4000m = 4km
80m/分 50分間 80 × 50 = 4000m = 4km
3. 出会い問題の解法
同時出発での出会い問題

基本パターン1: 同じ地点から反対方向

出発点 Aの進行方向(80m/分) Bの進行方向(90m/分) 出会うまでの時間 = 2人の間の距離 ÷ (AとBの速さの和) = 0 ÷ (80 + 90) = 0 ÷ 170 = 0分(すぐに出会う)
ポイント: 同じ地点から反対方向に進む場合、2人の速さの和を使って計算します。2人の間の初期距離が0なので、すぐに出会います。

基本パターン2: 向かい合った2地点から

A地点 B地点 3600m Aの進行方向(70m/分) Bの進行方向(80m/分) 出会うまでの時間 = 2人の間の距離 ÷ (AとBの速さの和) = 3600 ÷ (70 + 80) = 3600 ÷ 150 = 24分 出会う地点
出会うまでの時間 = 距離 ÷ (2人の速さの和)
時間差がある場合の出会い問題
図書館 3300m 9:00 10分で600m 9:10(B君出発時点) 9:10 残り2700m 出会う地点・時刻 9:30 2700 ÷ (60 + 75) = 2700 ÷ 135 = 20分

異なる時刻に出発する場合の解法

  1. 先に出発した人が、後から出発する人の出発時刻までに進んだ距離を計算
  2. 残りの距離を求める
  3. 残りの距離を2人の速さの和で割って、出会うまでの追加時間を求める
  4. 後から出発した人の出発時刻に追加時間を足して出会う時刻を求める
追加時間 = 残りの距離 ÷ (2人の速さの和)

例題の解説

図書館と駅の間は3300m。A君は図書館から分速60mで9:00に出発。B君は駅から分速75mで9:10に出発。2人が出会うのは何時何分か?

  1. A君が先に10分進んだ距離: 60 × 10 = 600m
  2. 残りの距離: 3300 - 600 = 2700m
  3. 2人の速さの和: 60 + 75 = 135m/分
  4. 出会うまでの追加時間: 2700 ÷ 135 = 20分
  5. 出会う時刻: 9:10 + 20分 = 9:30
4. 追いかけ問題の解法
追いかけて追いつく問題
学校 太郎 5分で300m 60m/分 80m/分 追いつく地点 学校から300m 300 ÷ (80 - 60) = 300 ÷ 20 = 15分

追いかけ問題の基本公式

追いつくまでの時間 = 初期の距離差 ÷ (速い人の速さ - 遅い人の速さ)
ポイント: 追いかけ問題では、2人の速さのを使います。出会い問題では速さのを使うことと対比して覚えましょう。

例題の解説

太郎が家から分速60mで学校に向かって出発。5分後に姉が家から分速80mで追いかけました。姉は何分後に太郎に追いつきますか?

  1. 太郎が先に進んだ距離: 60 × 5 = 300m
  2. 2人の速さの差: 80 - 60 = 20m/分
  3. 追いつくまでの時間: 300 ÷ 20 = 15分

追いつく地点の計算

姉が出発してから追いつくまでに進んだ距離: 80 × 15 = 1200m

追いつく地点は家から1200m、学校から300m離れた地点です。

5. 同方向移動問題の解法
同じ方向に進む場合の距離の変化

同方向移動の基本パターン

出発点 A: 100m/分 B: 70m/分 30m(1分後) 距離の差 = (Aの速さ - Bの速さ) × 時間
t分後の2人の距離差 = (速い人の速さ - 遅い人の速さ) × t

例題:同方向に進む場合の距離差

AとBが同時に同じ地点から同じ方向に歩き始めました。Aは分速100m、Bは分速70mです。1分後の2人の間の距離は?

距離差 = (100 - 70) × 1 = 30m

AとBが同時に同じ地点から同じ方向に歩き始め、Aは分速81m、Bは分速73mです。46分後の2人の間の距離は?

距離差 = (81 - 73) × 46 = 8 × 46 = 368m

同方向に進む場合、2人の速さの差に比例して距離が開いていきます。距離が特定の値になるまでの時間を求める場合は、その距離を速さの差で割ります。

特定の距離差になる時間 = 目標とする距離差 ÷ 速さの差
6. 循環コース上の問題
円形コース(池や運動場)の周回問題
出発点 うさぎ: 105m/分 かめ: 5m/分 反対方向: 出会う時間 = 周の長さ ÷ (2人の速さの和) 同じ方向: 追いつく時間 = 周の長さ ÷ (速い人 - 遅い人)

反対方向に進む場合

1周1200mの池の周りをAとBが同時に同じ地点を出発して反対方向に進みます。Aは分速60m、Bは分速40mです。初めて2人が出会うのは出発してから何分後ですか?

出会う時間 = 1200 ÷ (60 + 40) = 1200 ÷ 100 = 12分
ポイント: 反対方向に進む場合、1周分の距離を2人の速さの和で割って出会う時間を計算します。

同じ方向に進む場合

1周2200mの池の周りをうさぎとかめが同時に同じ地点を出発して同じ方向に進みます。うさぎは分速105m、かめは分速5mです。うさぎがかめに追いつくのは何分後ですか?

追いつく時間 = 2200 ÷ (105 - 5) = 2200 ÷ 100 = 22分
ポイント: 同じ方向に進む場合、1周分の距離を2人の速さの差で割って追いつく時間を計算します。