チビ六の変身物語

砂田弘「そでそよ風のうた」より

物語の登場人物たち

👦
チビ六(佐藤くん)
クラスのお調子者。いつもみんなを笑わせている少年
👩
井村京子
クラス一の美人で成績優秀。男子の人気者
👨‍🏫
先生
チビ六の冗談に思わず笑ってしまう
👫
カップル(青年と「ミッちゃん」)
公園で出会った恋人同士

物語の始まり - お調子者のチビ六

「答えがわりきれたんじゃないんです。パンツのひもがきれたんです。」
クラスの笑いの中心人物
面白いことを言って人を笑わせるのが得意
「いかん。もっとまじめにならなくちゃ。」

心を変えるきっかけ

土曜日の放課後

井村京子からナイチンゲールの伝記を借りる

家に帰って本を読む

二百ページを二日がかりで読み終える

📚 → 😲 → 😮 → 🤔

感動と決意

「なんと心のうつくしい人だろう。こういぃいう人の生きかたをまねなくてはいけない。」
「よし、ほくはきょうから心をいれかえて、世のため人のためにつくすぞ。日本のナイチンゲール、いやそこまでいかなくていい、町のナイチンゲールになるんだ。」

チビ六の冒険 - 人助けの旅

「ああ、この静岡の町にも、不幸な人ぴびとが何千、何万といるんだ。そして、ほくが手をさしのべるのを待っているはずだ。」
不幸な人を探して町を歩く
人助けしたい気持ちはあるが、方法がわからない

公園での出会い

「どうなさったのですか?」
「なにか、ほくに、できることがありましたら...」
「よわったな、ほくたちはね、恋人どうしなんだ。」
「つまり、ほくたちはデートをしてるってわけなんだ。」
「それなら、うれしいはずじゃありませんか。なぜ、泣くんですっ」
「ミッちゃんは、ほくに結婚を申しこまれて、うれしくて、そっとひとりで泣いていたんだよ。」
😕 → 😣 → 😞
「なんだい、あれは。いい年をして、なにがミッちゃんだ。女だってそうだ。めそめそしやがって。」

失意から希望へ

井村京子との再会

「あら、佐藤くんじゃない。」
「きのうもってかえった本、なかを見て、びっくりしたでしょう。」

本についての会話

「小さいころ、犬の看病をしてやる話、すごく感動したな。それから...野戦病院で、ほとんどねずに、きずついた兵士たちを看病する場面もよかった。ナイチンゲールは、ほんとうに「愛の天使」だね。」

京子の気づき

「どうしたの、佐藤くん。きょうは、すこしへんだわ。」
「みょうにふさぎこんで、まじめくさっていて、佐藤くんらしくもない。」

自然な優しさ

「あっ、こんなところに糸くずがついてる。」
「ありがとう。佐藤くんて、心のやさしい人ね。」
😔 → 😊 → 😄

物語のクライマックス

心の変化のピーク
そのひとことをきいたとき、なぜかチビ六の胸が、じいんとあつくなった。いま、はじめてわかったのだが、チビ六は、このひとことを、だれかからききたかったのだった。

チビ六らしさの復活

「じゃ、ほく、かえる。」
「かえって、ニューヨークへいくんだ。」
「ニューヨークへ?」
「おふろ屋さん。」
「なあんだ。」
「やっと、いつもの調子がでてきたわね。そんな佐藤くんが、わたしは、いちばんすきよ。」
😊 → 😄 → 😁 → ❤️

物語の主題とメッセージ

無理に変わる必要はない
自然な優しさこそが本物
ありのままの自分で人に喜びを与えられる

チビ六の心の変化

出発点

クラスのお調子者、笑いをとる役割

変化のきっかけ

ナイチンゲールの伝記に感動

「世のため人のため」を意識

試行錯誤

無理に「良い人」を演じようとする

公園での失敗体験

気づき

自然な行動から生まれる優しさ

京子からの言葉「佐藤くんて、心のやさしい人ね」

成長

自分らしさを取り戻す

本当の優しさとユーモアの両立

物語の結末

夕暮れちかい町かどに、五月のさわやかな風が、吹きぬけた。白い歯を見せてわらっている京子のかみが、そよ風に、うつくしくなびいている。本のさし絵で見た、ナイチンゲールのようであった。
やはり本を読んでよかったと、つくづく、チビ六はおもった。
本から学んだことの真の価値
人との自然なつながりの大切さ
成長は変化ではなく気づきから生まれる