2025年4月27日
宛先: 矢作 芳人 様
矢作 芳人 様
2025年4月5日のドバイワールドカップデイに検体所で起きた事象への貴殿の懸念を共有いただきありがとうございます。Emirates Racing Authority (ERA)はこのようなフィードバックを真摯に受け止め、今回の件について監視カメラ(メイダン競馬場・検体馬房2番)の映像を詳細に調査いたしました。
フォーエバーヤング号が検体所の暗室に約40分入れられていたという貴殿の主張を受け、有給裁決委員マナヴ・ヴァヤ氏および私が実施した調査の結果をご報告いたします。
フォーエバーヤング号がDRCグルームに誘導され検体所に入室。ERAの検体スタッフも引率。
厩務員(渋田氏)が馬をコントロール。フォーエバーヤング号は検体馬房内を落ち着いて歩く。
厩舎スタッフ(荒木氏)がドアを開けて厩務員(渋田氏)と話す。
厩務員(渋田氏)が明らかに苛立っている。ERA検体スタッフは冷静な態度で状況を緩和させようとしている。
厩舎スタッフ(荒木氏)が再度ドアを開けて厩務員(渋田氏)と話す。
厩舎スタッフ(荒木氏)が三度目にドアを開けて厩務員(渋田氏)と話す。
しばらく議論が続く。厩務員(渋田氏)は馬の無口を外すと、フォーエバーヤング号は明らかにリラックスした様子。
フォーエバーヤング号は厩務員の誘導によって検体所から退室。
レース前尿検査はERAが通常実施しているアンチドーピング対策の一環です。
ERAのプロトコルでは以下のように定められています:
貴殿が指摘する「コミュニケーション」の問題は我々も認識します。不運にも、通訳をできるスタッフが当日の現場に立ち会えていなかったことによって混乱を招いてしまったかもしれません。これに関しては我々としても改善が必要とされる箇所であり、それを改めて指摘いただいたことに感謝しています。
貴殿の指摘を受けて、我々自身の競馬運営について前向きに見直しています。レース前検体自体は引き続き我々のアンチドーピング戦略の中核であり続けますが、以下を含む見直しを実施しています:
今回の検体馬房での監視カメラの映像を確認されたい場合、メールアドレスを教えていただければ共有いたします。
私がUAEで規制獣医師として従事してからずっと、日本の調教師および厩舎の皆様に対しては最大限の敬意を持っています。日本馬の競馬に向かうまでの準備、馬の取り扱い方はプロ意識が高く、その姿勢には感心しています。
直近で貴殿が経験してしまった事態は、我々が目指している高い基準の手順とは相反してしまったことは大変残念であります。上記に述べた時間軸での事象は、貴殿からいただいた内容とは少し異なる点はあったにせよ、貴殿の所見は大変貴重なものですし、我々としましてもこれを機に、全ての遠征関係者のためにコミュニケーションの質とプロトコルを高めていくよう尽力していく次第です。