📝 授業の概要
今回の授業では「蝶とアリの不思議な約束」について学びます。一見すると全く関係なさそうな両者の間に成り立つ不思議な約束とはどのようなものなのでしょうか?
登場する虫たちの特徴や関係性を読み取りながら、この不思議な自然界の知恵について探っていきましょう。
🔍 登場する虫たち
黒しみ(くろしみ)
草原に住む蝶の一種。他の蝶とは風変わりな生活をしている。
母蝶は卵を黒大ありとありまきのそばに産む。
幼虫は蜜を出すことができる特徴がある。
黒大あり(くろおおあり)
凶暴で強い蟻の一種。仲間同士でも喧嘩をする。
強力な大顎を持ち、1匹では運べないものも協力して引きちぎる。
黒しみの幼虫を育てるという不思議な行動をとる。
ありまき
アブラムシの一種。
蜜を出す特徴がある。
黒大ありに守ってもらう代わりに蜜を与える。
🔄 虫たちの関係図
3種類の虫たちの間には強制関係が成り立っています。強制とは「お互いに利益を与え助け合う」関係のことです。
重要ポイント!
✓ 黒大ありとありまき:強制関係が成り立つ
✓ 黒しみと黒大あり:強制関係が成り立つ
✓ 黒しみとありまき:強制関係は成り立たない
✨ 不思議な約束とは
黒大ありは凶暴で強い昆虫。通常、巣に入った他の虫は発見されるとすぐに食べられてしまう。
しかし黒しみの幼虫は黒大ありに食べられるどころか、大切に巣の中にしまい込まれ、世話までされる!
なぜ不思議なのか?
通常、凶暴な黒大ありは他の虫を見つけると即座に食べてしまう。
しかし黒しみの幼虫だけは特別に育てられ、世話される。
これは黒しみと黒大ありの間にだけ成り立つ不思議な約束なのだ!
🔄 黒しみのライフサイクル
黒しみの生活
① 母蝶は黒大ありとありまきのそばに卵を産む
② 幼虫は黒大ありの巣に運ばれる
③ 黒大ありは幼虫を育て、餌を与える
④ 幼虫は黒大ありに蜜を与える
⑤ 成長した幼虫はさなぎになる
⑥ 14日後、成虫になり飛び立つ
💡 約束の秘密
黒大ありが黒しみを育てる理由
幼虫は成長するとより多くの蜜を出せるようになる
黒大ありはこの将来的な利益を知っているので、幼虫を育てる
母蝶の知恵
母蝶は黒大ありが幼虫を育ててくれることを知っている
また、幼虫が成長と共に多くの蜜を出せるようになることも知っている
この知識をもとに、安全な場所として黒大ありの巣の近くに卵を産む
「勇気ある知恵者」とは?
勇気ある点
凶暴で他の昆虫たちから恐れられている黒大ありの世話になるという危険な選択をした
知恵者である点
蜜を与える代わりに安全な場所で育ててもらうという取引を考え出した
📝 授業のまとめ
重要ポイント
① 3種類の虫(黒しみ・黒大あり・ありまき)の特徴と関係性
② 強制関係:お互いに利益を与え助け合う関係
③ 不思議な約束:凶暴な黒大ありが黒しみの幼虫を育てる関係
④ 黒しみは蜜を与える代わりに安全な場所と餌を得ている
⑤ 相互利益の関係が自然界に存在する知恵
家庭学習のポイント
① 文章を1ページ目から読み直す
② 各段落でどんな話題が説明されているか整理する
③ 虫たちの特徴と関係性を確認する