呼吸と光合成のしくみ

2025年4月12日

📚光合成と呼吸の基本知識

光合成とは?

植物が二酸化炭素と水を使って、でんぷんと酸素を作り出す働き。

光合成の正しい式:
二酸化炭素 + 水 → でんぷん + 酸素

植物が光合成する目的は「でんぷん」を作ること!酸素は副産物として外に出している。

呼吸とは?

生物の細胞が酸素を使ってエネルギーを生み出す働き。

呼吸の正しい式:
養分(でんぷんなど) + 酸素 → エネルギー + 二酸化炭素 + 水

呼吸は動物も植物も24時間行っている基本的な生命活動!

光合成と呼吸の関係 ♻️

光合成:二酸化炭素→酸素(昼間中心)

↕️

呼吸:酸素→二酸化炭素(24時間)

光合成と呼吸は反対の反応

昼間は光合成>呼吸なので、
植物全体としては二酸化炭素を吸収し、酸素を出している!

🌿植物が成長するしくみ

昔の人の疑問 ❓

植物は何も食べていないのに、どうやって大きくなるの?

実験の歴史:

  • 最初は「土を食べている」と考えた → 重さの変化を測ると土はほとんど変わらなかった
  • 「水を栄養にしている」と考えた → 水だけでは栄養にならない
  • 動物の呼吸と物が燃える現象の共通点から研究が進んだ
  • 植物が「動物の吐いた息を綺麗にする」ことを発見

炭素の取り込み 🌳

光合成で二酸化炭素から炭素を取り出し、でんぷんの形で蓄える。

でんぷん=炭水化物
「炭」が含まれている!

ご飯が焦げて黒くなるのは、炭素が見えるから!

葉緑体と葉緑素 🍃

植物の細胞にある葉緑体(緑色の粒)が光合成を行う。

葉緑素:葉緑体に含まれる緑色の色素

葉緑素が光のエネルギーを受けて、二酸化炭素と水をでんぷんと酸素に変える!

肥料の役割 💩

植物は光合成で自分の栄養を作れるなら、どうして肥料が必要なの?

光合成で作れるのは「でんぷん」という栄養だけ!

他の栄養は根から水と一緒に吸収する必要があるよ。

🔬気孔のはたらき

気孔(きこう)とは?

葉の表面にある小さな穴。特に裏側に多い。

気孔のまわりには「孔辺細胞」がある

↓ ↓ ↓

形を変えて気孔を開けたり閉めたりする

気孔のはたらき 🔄

  • 二酸化炭素を取り入れる
  • 酸素を放出する
  • 水蒸気を出す(蒸散)
植物は気孔を通して呼吸と光合成のための
ガス交換をしている!

栄養分の輸送 🚚

葉で作られたでんぷんは葉脈を通って全身に運ばれる。

でんぷんは水に溶けにくいので、水に溶けやすい形に変えて運ぶよ。

じゃがいも:葉で作った栄養を地下の茎に蓄えた例!

🧪光合成の確認実験

ヨウ素液による実験 📊

光合成によってでんぷんができると、ヨウ素液で青紫色に染まる!
1

葉を1日中暗いところに置く(葉のでんぷんをなくすため)

2

一部分にアルミホイルを巻いて日光に当てる(光が必要か確かめるため)

3

葉を取り、熱湯に浸ける(細胞を壊すため)

4

湯煎したアルコールに葉を浸して色素を抜く注意!直接火にかけない)

5

水で洗う(アルコールを洗い流すため)

6

ヨウ素液をかける

7

結果を観察する

実験結果:

  • 青紫色に染まった部分 → でんぷんができた!(光合成が行われた)
  • 染まらなかった部分 → アルミホイルで覆った場所(光が当たらなかった)
  • 薄く染まった部分 → 葉緑素が少ない場所(斑入りの葉など)

二酸化炭素の消費を確かめる実験 🌡️

1

2つのビニール袋を用意する

2

両方に息(二酸化炭素が多い)を入れる

3

一方には植物の葉を入れ、光を当てる

4

しばらく後、両方の袋の気体を石灰水に通す

実験結果:

  • 植物なしの袋 → 石灰水が白く濁る(二酸化炭素がある)
  • 植物ありの袋 → 石灰水があまり濁らない(二酸化炭素が減った)
光合成によって二酸化炭素が消費されたことの証拠!

水草による酸素発生実験 💭

1

息を吹き込んだ水(二酸化炭素が豊富)に水草を入れる

2

水温を一定に保つため、水槽を挟んでライトを当てる

3

気泡(酸素)が出てくるのを観察する

実験のポイント:

  • 水の温度を同じに保って植物のはたらきが変わらないようにする
  • 気泡は酸素であることを確認できる(物が激しく燃える)

🧫呼吸の確認実験

発芽種子の呼吸実験 🌱

発芽している種子は活発に呼吸している!
1

発芽中の豆を三角フラスコに入れる

2

石灰水を入れると白く濁る → 二酸化炭素が出ていることの証拠!

呼吸の定量実験 📈

1

2つの三角フラスコに発芽中の豆を入れる

2

一方には二酸化炭素を吸収する液体、もう一方には水を入れる

3

ガラス管とインク液で空気の動きを観察する

4

大きな水槽の中で実験を行い、温度を一定に保つ

結果の読み方:

  • 水溶液あり → 酸素の吸収量だけがインクの動きに影響
  • 水だけ → 酸素吸収と二酸化炭素放出の差がインクの動きに影響
  • 両者の差から、二酸化炭素の放出量を計算できる!
呼吸でエネルギーが発生するので熱が出る!
実験では水槽で温度を一定に保つことが重要

📝光合成と呼吸の比較まとめ

光合成 🌞 呼吸 💨
反応式 二酸化炭素 + 水 → でんぷん + 酸素 養分 + 酸素 → エネルギー + 二酸化炭素 + 水
目的 でんぷん(栄養)を作る エネルギーを取り出す
行われる時間 光が当たる時(主に昼間) 24時間(常に)
必要なもの 光、葉緑体、二酸化炭素、水 酸素、養分(でんぷんなど)
場所 主に葉(葉緑体がある場所) 全身の細胞

重要ポイント!

植物は昼間でも呼吸をしているが、光合成の方が活発なので、全体としては二酸化炭素を吸収して酸素を放出している。

この授業のまとめ

次回はもっと詳しく学んでいきましょう :)

講義内容をもとに作成した授業ノートです。